先日、遅くまで残業して職場を出たとき、まだバスの動いている時間だったが疲れてヘロヘロだし、雨はザンザン降りだし、「まいっか」と思わずタクってしまった。(当方、本当はそんなご身分じゃないけれど…。)
拾ったタクの運転手さんと何げに会話を交わしていたら、なんと、なんと、仕事の関係で長い間マレーシアとシンガポールに住んでいらっしゃったとのこと。疲れていたはずが、思わずテンションが上がって話が弾んでしまった。
マレーシアの食べ物で、ラクサというのがある。あまり耳慣れないかもしれないがマレーシアやシンガポールではサラリーマンの昼食の定番で、言わばマレー風カレーうどん、もしくはマレー風坦々麺といったところだろうか。ココナッツミルクベースのスープがエスニック&スパイシー&マイルドな、強烈かつ絶妙な味と香りのハーモニーを奏で、一度食べるとクセになる。日本人には人によって口に合う合わないがあるようだが、幸いにして(?)わが妻、雅恵は私以上にこれがお気に入りのようだ。
行きのクアラルンプールの乗り換えで、わざと乗り換え時間が長めのフライトを選び、空港で入国手続きして出発ロビーにある店までわざわざラクサを食べに行く。サテー(マレー風焼き鳥)をつまみにビールを飲み、ラクサを食べると、「ああ、また来たなあ」と感慨に浸ると同時にマレーシアンモードに切り替わる。私たち夫婦にとって、これが言わばマレーシア入国の儀式のようになっている。
その、わが愛しのラクサが、名古屋で賞味できるという耳より情報を運転手さんから教えていただいた。そこでさっそく予約を取って行ってきた。以下、その報告である。(前置き長すぎ。)
地下鉄桜通線、高岳駅から北へ徒歩5分。喫茶洋菓子の老舗ボンボンの斜め裏付近の通りから少し奥まったビルの1階に、外観からして小洒落れたいい雰囲気の店がある。土曜日の午後6時半に予約したが、かなりの人気店のようで、7時には満席になって何組か断られていた。
まずはマレーシアでよく食べているような品を適当にオーダーして、ビールで乾杯! メニューはアジアンテイスト全般だが、看板はシンガポール料理ということらしい。全体に優しく品のいい味付けにアレンジされていて、お洒落で落ち着いた店の雰囲気とも相まって、女性客に特に人気のようだ。
そして最後のシメはもちろんラクサ。出てきた品は、いつも食べ慣れている現地のラクサと比べるとかなりココナッツミルク濃厚で、スパイスはやや控えめ、日本人にも食べやすいように優しい味に仕上がったなかなかの逸品であった。ただ、どうしても現地で食べている本物と比べてしまうので、もっと強烈な個性が匂い立つパンチの効いたラクサを期待してしまう。麺が日本人好みのコシのあるつるつる太麺なのも減点。ラクサにはもっと安っぽい麺の方が濃厚スープがよく絡む。
雅恵に星いくつか聞いてみたら、3.5☆との返事。全く同感。なかなかの逸品で出来栄えとしてはハイクラスなのだが、わたしたち夫婦の評価はやや伸びなかった。
ラクサを食べていたら、何だか妙にブルーな気分になってきた。「里心」がついて、マレーシアへ行きたい病が発症しかかっている。思えば最近は、ギフチョウにかまけてジャングルから足が遠のいている。しかも年末にはオーストラリアのヘロン島行きが控えており、当分行けそうにないと思ったら余計にブルーになってきた。
やれやれ。でも、またいつか必ず、絶対行きますマレーシアのジャングルへ。というシメで、以下はお店の紹介。
イーストダイニング LAO PASA(ラオパサ)
名古屋市東区泉二丁目13-4 カスティロ泉1B
電話 052-932-1710
ランチ 11:45-14:30
ディナー 18:00-23:00
月曜定休、ランチは平日のみ
HP http://www.1egg2minds.com/laopasa.html
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