昨日、飛騨市の深洞湿原へギフチョウ採集に行ったときのこと。
当地は林道が入口で一般車両通行止めのため、標高差500mほどのキツい道のりを2時間近くかけて歩かなければならない。一昨年初めて行ったときは、出発で出遅れて飛ばしに飛ばして1時間余りで登ったためヘロヘロになった。好きでやっている私はまだしも、好きでもないのに付き合っている雅恵は文句のひとつやふたつや三つ四つ、言いたくもなるというもの。
そこで今回は、電動アシストMTB(マウンテンバイク)と、雅恵はグラフィットバイクという名の電動バイクを持ち込んだ。グラフィットバイクというのは耳慣れないと思うが、自転車と電動アシスト自転車と電動バイクの三刀流という代物で、しかも車載に便利な折り畳み式。雅恵が旦那の道楽に付き合うために自力でネットで見つけて購入した。
という訳で、今回は楽勝でたどり着けるつもりで、いざ出陣!
登り始めて間もなく、雅恵は軽快にスイスイ登っていくが、私のほうは意外に登らない。勾配がきついため、アシストモードを最強にしてギアを一番下げても、あえぎあえぎこいでいる状態。これなら歩いたほうが楽とも思えたが、今さら後にも引けない。私の場合は好きでやっていることなので誰のせいでもないが、何度も何度も小休止して、やっとの思いで湿原の上の広場にたどり着いたときには出発から50分が経っていた。
広場には工事車両が2台停まっていて地元のおじさん4-5人がいたが、人目もはばからずにその場に崩れ落ちるようにしてヘタリこんでいると、おじさんたちが物珍しそうに話しかけてきた。最近では湿原を訪れるハイカーは多いが、無謀にも自転車で来るヤツは珍しいのだろう。そこへ雅恵のが自転車でなく電動バイクと分かると、話がはずんだ。
しばらく話をしながら休憩しているところへ、いきなりギフチョウが飛んできた。さらには歩きかけたところへもう1頭出てきて、おじさんたちの目の前でネットイン。採集したギフチョウを見せながら、あれこれ会話を交わしてその場をあとにした。
この日の飛騨市の予報は晴れで、予想最高気温は30℃の真夏日。当然カンカン照りの暑いぐらいの日になると思いきや、意外にも深洞湿原は午前中は雲が多く、湿原で粘っていたが徐々に低調になってきたので少し歩くことにした。
自転車を停めた広場に戻ってきたときのこと。おじさんたちの姿はすでになかったが、ふと見ると雅恵のバイクのハンドルに何やらビニール袋が結びつけてある。
中を見ると、何と中にはギフチョウがいた。どうやら先ほどのおじさんたちが捕まえてくれたらしい。それにしても、一体どうやって捕まえたのだろう。
最近は採集者に対する世間の風当たりが強く、些細なことで地元の人とトラブルになったり、それがきっかけで立入禁止や採集禁止になったりと、せち辛いニュースを耳にすることが多い。それだけに、思いもよらぬプレゼントに心温まる思いがした。
お礼も言えなかったが、本当にありがとうございました。
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徳平 (火曜日, 29 5月 2018 12:31)
はじめまして。HP及びブログ、いつも楽しく読んでいます。
なんと言いますか、不景気のせいか、情報社会のせいか、人の楽しみを批判する人が多くて困りますね。
私有地でのトラブルはいけませんが、山奥で合法的に採るなら多目に見てほしいですよね。
飛弾ギフ、良いですね。人との交流も採集行の楽しみですよね。
永遠の昆虫少年(サイト管理者) (水曜日, 30 5月 2018 12:46)
徳平さまへ
コメントありがとうございます。
批判するのでなく、お互いが認め合う社会であってほしいと思います。
お互い人間ですから、やはり会話を交わすことが大切ですよね。
徳平 (水曜日, 30 5月 2018 20:29)
今シーズンも忙しくなりますね。事故など無いよう気をつけて、楽しんでください。
当方は食草、食樹や野菜の栽培を楽しみながら、近所の山での採集をメインに、写真も始めて見ようかと思います。
ブログ更新楽しみにしています。