年の瀬も迫る先月初めごろ、雅恵がポツリとつぶやいた。
「そろそろ年賀状出すのやめよっか」
この一言で、てっきり今年はもう出さないものと思い込み、図案を考える気も失せた数日後、今度はこうきた。
「年賀状の写真どれにする?」
まさか‥認知症?
どうやら今年は終活年賀状を出して、来年からやめるつもりだったらしい。
「だって、いきなりやめたらみんなが心配するでしょう」
ごもっとも。そこで、あわてて終活年賀状の案を作って印刷する前に雅恵に見せたところ、
「やっぱり来年も出そっか」
何とかと秋の空と言うぐらいだから、こんなぐらいで今さら驚かないが、せっかくなのでこの場を借りて少し愚痴ぐらいは言わせてもらおう。
そんなこんなで、今年もいつもどおり普通に年賀状を出しました(←世間ではこういう年賀状を「普通」って言わないかもよ)。
それにしても、年甲斐もなく毎年こんな年賀状を送りつけといて、いきなり「終活‥」って言ったらみんなきっと驚くよねえ。エッ、驚かない? 呆れるだけだってか。
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